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ヤヌスの鏡最終話を見ていたらいつの間にか。。。💧

2025/01/17 08:00 公開

化身のユミから本当の自分である裕美に戻るシーン
化身のユミから本当の自分である裕美に戻るシーン

 あれからヤヌスの鏡を最後まで見ていました。。。

 話が進むごとに次々と事の真相が明らかになっていく展開だったけど、その最中特に気が気でならなかったとか感銘を受けていたという実感はなかったのに、最終話になっていつの間にか(ほほ)を伝うものがありました。。。

 普通ならジーンとか沸々と感情が高ぶってきてそれに耐え切れなくなって涙があふれてくるけれど、今回の状態はそうした感情の高ぶりもなくただただ涙が出ては止まらなくなる現象で、私の長い!?人生の中で今回が3度目。。。

 1回目が大嫌いだった実の父が亡くなる一週間前くらいの頃(亡くなった時ではなく)。。。

 2回目が会社で部下達を奴隷のようにこき使う上司に呆れ果てた時。。。

 そして今回。。。

 日頃から祖母に行動を押さえつけられていた主役の小沢裕美が、夜な夜な自分を開放し窃盗や傷害・殺人未遂までやらかしてしまうやりたい放題の大沼ユミに変化(へんげ)してしまうんですけど、そこに自分の人生をかけてまで真剣に向き合いユミを本当の自分である裕美に戻そうとする担任教師の堤先生が現れて、彼の強烈な熱意と行動力に私ですらついつい(こうべ)を垂れてしまう始末で。。。

 そして最後にはナイフ片手にユミが堤先生を(あや)めようとするんですけど、直前で彼女の動きが止まり少し間を開けての一言「刺したら先生が死んじまうじゃないか」と言い放ち元の裕美に戻っていくのです。。。

 このまま本当の姿で堤先生と一緒にいられるのかと思っていたら、なんと彼は遠くの学校からのオファーで転勤することになってしまったのです。。。

 でも17歳の裕美の今後を想うとそれでいいのかもしれない。。。

 では最後に堤先生が裕美に宛てた手紙の内容をそのままに書き起こしたいと思います。。。

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 小沢、この手紙に君が目を通す頃、私は九州に向かう列車の中にいるだろう。

 小沢、君と別れることは身を切られるように辛いことだ。

 だか先生はあえて君と別れることを選んだ。

 それはな小沢、先生は小沢に17歳の青春を丸ごと返してあげたいと思っているからだ。

 17歳の君には、17歳の出会いが必要だ。

 その出会いが青く未熟で、それゆえにこそ傷つくことが多いとしても、それもまた君が引き受けなければならない17歳の世界ではないだろうか。

 小沢、君は昼と夜との2つの世界の中で、様々な出会いと別れを知ったはずだ。

 その出会いと別れも、また深く心に刻み付けて欲しい。

 彼たちも彼女たちもまた、君と同じようにたくさんの自由を求め、魂を熱く熱く焦がすことを求め、それがゆえに深く深く傷ついた戦士たちなのだ。

 人間に絶望するよりも、信頼する事だ。

 絶望は何も生み出さないが、信頼は君自身の生きる勇気になるだろう。

 自由の戦士の苦悩と喜びを知ったことこそ、君にとって何よりも代えがたい貴重な経験になるだろう。

 小沢、君はそれらすべてを君の想像力の翼として、新しい出会いを求めて欲しい。

 いつか君にふさわしい出会いが得られるまで、かしこい目と優しい心をもって多くの人間と出会って欲しい。

 小沢、君は今、裕美の心とユミの心を重ね合わせて新しく生まれ変わった。

 先生は、生まれ変わった君の人間としての力を信じてる。

 人間としての力とは、この世の悲しみをすべて引き受けて、なおかつ(すこ)やかな笑顔とともに、生き続けていくことだ。

 小沢、さようなら。

 小沢、先生は小沢に会えたことを感謝している。

 さようなら。

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 そして最後のテロップ。。。

君の人生はまだ始まったばかりだ

 裕美の人生には実の母親が自ら選んだ道と、実の父親も他の妻と子供がいる家庭を持っているという事実は消せないけれど、これから様々な人たちとの出会いと多くの出来事を体験していく中で、少しずつ思い出となって記憶の片隅へと(いざな)われていくから大丈夫。。。

 では改めまして。。。

 本当のあなたは、今どこにいますか。。。


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